蒼色ルーム
蒼色28
「おい、葵。車に乗れ」




朝起きて、すぐに言われた言葉。めっちゃ誘拐する人の言葉みたい。




「なんで?」




眠い目を擦りながら聞く。
てか、模試の勉強しないとやばいんだけど。



「いいから早く乗れ」

「……はい…」




目つきの悪い桃里さんに睨まれ、私は渋々乗り込む。




「どこ行くの?」

「秘密」



………。
今のはダメ。睨みからの笑顔は。さっきまで嫌だなって思ってたのに…きゅんってなっちゃうよ。

赤くなるのを我慢しながら車で過ごす。




「着いたぞ、葵。降りろ」



いつの間にか寝てて、いつの間にか着いてたみたい。
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