蒼色ルーム
「今日からここが、お前の家だ」
大家である丸中から言われた言葉。親は俺をここに押し入れてきた…。勿論、俺は了承してない。
まぁ…別にいいか…住めたら。
「うっす…あざっす」
「3食飯付き。家の手伝い必ずでどうだ、紺」
…こいつ…。
前半はよしとして、後半だろ。会って間もないのに、呼び捨てにしやがった。
なんか…腹立つな。
丸中ってやつを睨んでたら、玄関の方が騒がしくなった。そして、その騒がしさは、そのままリビングの方へ来た。
「ごめん、今帰った。ただいま」
「お帰り葵。こいつが田宮だ」
…アオイ?
聞いたことがある名前に…聞いたことがある声がする。見てみると…そこには朝会った女がいた。
「え?嘘…でしょ」
嘘だと思うのは俺だ。
どうしてここに女がいるんだよ。
「げ…電車の女」