蒼色ルーム
「わかった。葵はここで待ってて」
紺は私を人から離れた端の方へ連れていき、わたあめを買いに行った。
「はい、どーぞ」
買った後、すぐに戻ってきてくれる。
「あ…ありがとう」
紺から貰ったわたあめを1口食べる。
わたあめは甘くて……優しくて……。
「俺も、貰う」
わたあめを見つめている間に紺は私のわたあめを1口食べた。
「………っ紺」
「んー?何?」
「……や……なんもない」
やっぱり今日の紺、変だよ。
優しすぎる。
「……こ……」
ド────ン。
「花火上がった」
名前を呼ぼうとした時、タイミング良く花火が上がる。
「綺麗……」
何か言おうとしたんだけど、花火の綺麗さに、忘れてしまった。