蒼色ルーム
蒼色36
「はぁー」

「どうしたの?ため息なんかついて」





千夏との帰り道。
私はいつの間にかため息をついていたみたい。






「なんかね、パパとママが戻ってくるんだって。電話があったの」






思い出しただけでも苦しい。






「え?葵、元の家に戻るの?」






昨日、帰ってくるって言う事を聞いた時の私みたいに、千夏は驚いている。






「うーん。そうなるのかも」

「知ってるのは?」

「……桃里さんだけ」





桃里さんにしか、話せなかった。
瑠威さんもだけど…特に紺には……どうしても言いたくなかった。






「そっか…寂しくなるね」

「うん…なる」






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