蒼色ルーム
蒼色2
「桃里ー新しい子」
家に上がらせてもらってリビングに連れて来られた。
「あー!?今、行くわ」
尾崎さんと違って少し…いや。とても、感じの悪そうな声の桃里さん。
…怖いな…おい。
「こんちは」
あ…意外と普通の人だった。
「こんにちは。今日からお世話になる遊佐 葵です」
一応自己紹介。尾崎さんにはバレてるけど。
「ここの大家の丸中 桃里です」
あ、丸中さんがここの家の大家さんなのね。
てか…男しか居ないし…。
「葵でいい?」
「え?あ…はい」
いきなり呼び捨て。つかね…不安しかないのよ。
「葵の部屋は201号室。2階の一番奥だから」
まさかとは思ってたけど…。やっぱり私にも部屋があるんだ!!地味に嬉しいな。
「俺が案内しよーか?」
「えっと…大丈夫です…尾崎さん」
この人、すごく優しい人なんだけど、なんか…どうしよう。苦手だ。
「葵ちゃんって呼ぶから、瑠威さんって言って」
はぁ…。
ここの家の人は突然すぎるんだよ。
「分かりました瑠威さん」
満足したのか知らないけど…瑠威さんは丸中さんのところへ行ってしまった。