蒼色ルーム




「おい、葵」



頭上で声がする。



「……紺…?」



顔を上げると傘を持って息を切らしている紺がいた。
もう…怒ってない?って聞こうと思ったけど口に出せない。



「お前、風邪引くぞ」



心配しなくていいよ。だって、私達が心配しても、紺はすぐどっかに行っちゃうでしょ。



「おい、聞いてるのか?」



聞いてる。聞こえてる。
だけど……なんなんだろ…これ。



「ごめん…葵。だから、泣くな」



涙か雨かわかんないのに、紺はすぐに私が泣いてるってわかった。



「ほんとに…ごめん」



紺は自分の傘を捨て、自分の胸に私頭を当てる。
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