ようこそ、【デクヴァイ】へ。
「白だ」
ピタリと止まった空気。
先に口を開いたのは、椅子に座った人の方。
どこかに飛んでいた意識が、それをキッカケに浮上した。
口が動くより先に羞恥が沸き上がるのは当然のことで、振り上げていた足を勢いよく降ろした。
「今時珍しいねぇ~、白かぁ…嫌いじゃないよ」
「っ!!??」
「ぁ、でも僕的にはもっと奇抜な色でもありかなぁ~黒とかさ~」
ニヤニヤという形容詞が似合いすぎるくらいの表情。
怪しさマックス。
頭の中で「近づくな奴は危険だ警報」が唸ってる。
「っ、へ、変態っ!!!!」
「ぇっ!?変態!?誰が!??」
「アンタよアンタ!!!!
幼気な女子高生の…し……下着、見るなんて!!!!」
「いやいやだって見せてくれたし…」
「見せてないわよ!!!!」
ケラケラ笑いながらあー言えばこー言う状態。
キッ、と睨みつけたらニンマリ笑われて、じゃあスパッツか何かはけばいいのに~…女の子でしょ?、と言われた。
「きょ、今日は忘れたのよ!!!!」
「ふ~ん…、じゃあしょうがないね、謝るよ」
ごめんごめん。
そう言って椅子から立ち上がった危険人物(私の中ではそう認識した!)。
こっちに向かって歩いて来るもんだから、本能的に後ずさり…。
でもやっぱり足のコンパスは危険人物の方が長いらしく、あっという間に私の目の前まで近づかれた。
カチカチに全身の筋肉が緊張したかと思ったら、その危険人物はしゃがみ込んで目があったと思ったらニッコリ口角が上がった。
「でも人の店のドア蹴破る方もどうかと思うけどなぁ~」
ピシリ、と効果音が聞こえた気がする。
………そ、それに関しては深くお詫び申し上げます…。