片道キップを二人分



告白はすごく嬉しかった。
自分が辛い想いを抱えている分も、誰かを好きだと想う気持ちがどんなに一生懸命で、どんなに切ないかをあたしは知っていたから。
思い通りの答えを返せないあたしに、徹也さんは暫らくは「友達以上恋人未満、ってことでどう?」と申し入れてきた。





徹也さんはすごくマメで、しつこくない程度のメールが毎日送られてくる。
大学での出来事や友達のこと、飼っている猫のことが書かれたそれに、自分が自然と笑みを浮かべていることに気づいて驚いた。



こうして少しずつ、いろんなことが普通になっていくんだと思った。
そう、思いたかった。



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