片道キップを二人分
覚悟
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早々に里枝ちゃんと別れていたらしい斗真。
それから数日後、あたしも徹也さんにもう会えないと伝えた。
徹也さんはまたあたしの頭をクシャッと撫でて、でも、それ以上は何も言わなかった。
弱い自分が徹也さんにどんな酷いことをしたのか、あたしはちゃんと忘れずにいようと思う。
これから先どんなに辛いことがあっても、人を傷つけて選んだ幸せを、見失わずにいようと思う。
親不孝でしかない、とんでもない裏切り。
世の中の秩序に反した行為。
ただ、好きでいることが、これからの未来に影を差すのかもしれない。
全て分かっていても、それでも。
でも。だからこそ。
お互いを思い遣ることを忘れずにいたいと思う。
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