片道キップを二人分
そして、未来。
そうして、冒頭。
「真菜…本当に、いいんだな?」
「うん」
「後悔、するかもしれねぇぞ?」
目の前の、あたしの半身が瞳を覗き込むようにして問い掛けてきた。
「後悔なんて、する訳ないよ…」
あたしが間髪入れずにそう答えれば、目の前の相手には笑顔が広がっていった。
斗真の手には、二枚のエアチケット。
二人分の、片道切符。