片道キップを二人分
すれ違い
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あたしはそれ以来、斗真と上手く話すことができなくなった。
自分の気持ちが斗真に拒絶されたことも、ただ双子だったから大事なんだと言われたことも、思い出すだけで涙が出て、死んでしまいたいくらいに気持ちを重くするのだ。
あの翌朝、いつもはなんだかんだと斗真に引っ付いてるあたしが斗真を避けているのを見て、お母さんが喧嘩でもしたの?と聞いてきた。
それだけで滲んだ涙。泣きすぎて頭が痛くて何も言えなかったあたしを余所に、斗真は自分があたしの友達と付き合うことになったから拗ねてんだよ、と笑い飛ばした。
それ以来、あたしは斗真と喋っていない。
斗真に話しかけられても、喉が張り付いたみたいになって言葉が出ないのだ。
結局里枝ちゃんとも距離を置くようになって、二人がどうしているのか、それすらもあたしは知らなかった。