赤い月に捧げる
プロローグ
「にぃちゃん・・・。」
「・・・・。」
「明日で中学校卒業だね、おめでとう。」
「・・・・。」
「? どうしたの?楽しみじゃないの?」
「今、お前はどこにいるんだ?なんで帰ってこないんだ?」
「・・・・・。それは答えられないよ。」
「・・・いつもこの質問には答えてくれないよな。」
「・・・ごめんね。にぃちゃん、俺もう行かないと・・・。」
「せめて、顔は見せてくれないか?」
「・・・本当にごめんね。」
「おい、待ってくれよ・・・・!」
「今の仕事が終われば、きっと会えるから」
「もう、俺を置いていかないでくれよ・・・っ」
「泣かないで、にぃちゃん・・・・」
「・・・にぃちゃんは、俺がずっと守るから・・・。」