赤い月に捧げる
記録no,1
・勇士side・
「あぁ・・・・ドアが・・・俺のドアがぁ・・・!」
「アホなことを言ってないで、さっさと準備しろ」
ドアを壊した張本人・華桜露亜(かおう ろあ)は、相変わらず無愛想な顔で俺を見下ろしてくる。
「どうするんですか・・・このドア・・・。」
「もちろん弁償だろうな、お前の。」
「はぁ!?なんで俺なんですか!」
「おまえが起きないからだお前が!」
その言葉とともに、電気をまとったこぶしで殴られた・・・。
すっごいびりびりした・・・。痛いぃ・・・。
まぁ、柄にもなく萌え袖でその中も包帯を巻いているから、こぶしは見えないのだが・・・。
「・・・そういえば。」
「なんだ、新人。」
「露亜さんってなんで萌えそ・・・手を隠してるんですか?」
俺がそう聞いてみると露亜さんは一瞬悲しそうな顔をして
「・・・何でもいいだろ、そんなの。ほらとっとと支度しろ。朝ミーティング、遅れるぞ。」
と俺を急かした。
少しはぐらかされた気がして少し気になったが、それよりも重大なことが俺にはあった。
「あれ?今日って朝ミーティングありましたっけ?」
「だから急げって言ってるだろうが!」
いつも、朝ミーティングは8時から始まる。
今の時間は・・・・
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
俺の部屋の時計は7時58分を指していた。