私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
にしし……
どこからそんな笑い声が聞こえたと思ったら、案の定瑠衣さんがいたずらっぽく笑っている。
う……今の見られたな…。
「へ- 静架ちゃんはそんなに奈緒のことが気に入ったんだ。くやしいっ」
「ちょ…っ 笹木先輩?!」
瑠衣さんはそう言うが早いか、再び静架を羽交い締めにした。
冗談ぽく言ってるけど、静架を抱く力は本気みたい。
静架は落としそうになったコップを慌て支える。
「瑠衣さん、練習再開しますよ」
──多分、私は当事者である静架より動揺してたに違いない。
全てが凍り付くような、こんなに激しい怒りを今まで感じたことはなかった。
滲み出た感情に、どうか皆が気付きませんように…。