私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



にしし……

どこからそんな笑い声が聞こえたと思ったら、案の定瑠衣さんがいたずらっぽく笑っている。


う……今の見られたな…。





「へ- 静架ちゃんはそんなに奈緒のことが気に入ったんだ。くやしいっ」

「ちょ…っ 笹木先輩?!」


瑠衣さんはそう言うが早いか、再び静架を羽交い締めにした。

冗談ぽく言ってるけど、静架を抱く力は本気みたい。
静架は落としそうになったコップを慌て支える。


「瑠衣さん、練習再開しますよ」


──多分、私は当事者である静架より動揺してたに違いない。

全てが凍り付くような、こんなに激しい怒りを今まで感じたことはなかった。


滲み出た感情に、どうか皆が気付きませんように…。


< 100 / 238 >

この作品をシェア

pagetop