私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「それは……」
慎重に言葉を選ぶ。
「静架は、私が初めて親友と呼べる子だし……」
静架のことは、好き。
ううん、そんな言葉じゃ追い付かないくらい。
瑠衣さんはふっ と笑った。
「違うの、そういう意味じゃなくて。……恋愛感情として」
瑠衣さんも、私の様子を伺いながらゆっくりと言葉を選んでいる。
───恋愛、感情……?
私の顔が困惑で強張ったのを、瑠衣さんは動揺と受け取ったみたいだ。
「あなたが静架ちゃんを見てる時の表情、本当に幸せそうだったの。…戸惑うかもしれないけど、それは恋だよ」
瑠衣さんは気を遣ってくれている。
でも、違う。
そうじゃない。
私が動揺したのは、
静架に恋してる──それがどんな言葉より、ぴったり私の心にはまったから。
爽やかな空気が突き抜けたみたい。
実感は湧かないけど、すんなり受け止められる。