私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
ちぃちゃん──。
一目見て驚いた。
彼女は、まるで私そのものだった。
この学園に来たばかりの、幼い私に──。
…だからかな、ちぃちゃんには心を許せた。
ちぃちゃんはいつもはにかんだら様に笑っていて、可愛い。
一緒にいると癒された。
波長が合う、ってこういうことを言うのかも知れない。
とにかく、彼女もこの薔薇園での日向ぼっこに加わり、穏やかな日が流れ続けた。
「そう言えば奈緒先輩、演劇部の方たちって、モテるって本当ですか…?」
ある昼下がり、いつものようにちぃちゃんが私の隣に腰掛ける。
そして挨拶もそこそこに、ちぃちゃんが切り出した。
……?
何だか深刻そう。
どうかしたのかな?