私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



ちぃちゃん──。




一目見て驚いた。

彼女は、まるで私そのものだった。

この学園に来たばかりの、幼い私に──。




…だからかな、ちぃちゃんには心を許せた。

ちぃちゃんはいつもはにかんだら様に笑っていて、可愛い。

一緒にいると癒された。


波長が合う、ってこういうことを言うのかも知れない。



とにかく、彼女もこの薔薇園での日向ぼっこに加わり、穏やかな日が流れ続けた。










「そう言えば奈緒先輩、演劇部の方たちって、モテるって本当ですか…?」


ある昼下がり、いつものようにちぃちゃんが私の隣に腰掛ける。

そして挨拶もそこそこに、ちぃちゃんが切り出した。


……?
何だか深刻そう。
どうかしたのかな?



< 110 / 238 >

この作品をシェア

pagetop