私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「脚本家……ですか?瑠衣さんが?」
なんて胡散臭いんだろう…。
そんな私たちの表情を察してか、茉莉衣ちゃんが苦笑いをした。
「お姉ちゃん、これでも元演劇部トップですから…。
それに、今回のことは生徒たちの希望でもあるんです」
「生徒たちの?」
そう言えば、前回の公演も、生徒たちの希望とか言って、瑠衣さんが良い役やってたよな…。
なんか瑠衣さん、最近多くない?
「はぁ…生徒たちの意見なら、聞かない訳にはいきませんものね」
別に瑠衣さんが居て嫌な訳じゃない(むしろ演技の参考になる)けど、やっぱり何か企んでそうで怖いかも。
「そ-ゆ-訳よ!
だから私の指示には従ってもらうからね──実際は監督の立場もあるから」
「「えぇ---!?」」
瑠衣さんが監督?!
あぁ…中学時代のしごき稽古が思い出される…。
「言わずもがなで、あんたたち二人は主役ね!
さっ バシバシ練習始めよ---っ」
瑠衣さんの空元気な声だけ残して、私たちは舞台稽古を始めた。