私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



瑠衣さんの涼しげな横顔が憎らしい。

貴女は私を、どうしたいの?



「もちろん、分かってるよ。…だから書いたの」

「分かってるなら、何故!!」

「自分の気持ちを、誤魔化して欲しくなかったの。あなたには、幸せになる権利があるから」

「私は…っ このままでいいんです!!勝手な真似──」

「本当に?
本当にこのままで良いの?想いを伝えることも、触れることも出来ずに、第三者に甘んじるだけなのに?」


いきなり、瑠衣さんは身を乗りだし、真摯に私を見つめた。


答えを求めてる訳じゃない──瑠衣さんには、私の気持ち、全部分かっている。


「そんなんじゃ、きっと後悔するだけ。
未来は、誰にも分からないんだよ」


諭すように瑠衣さんが囁いた。

そんなこと言わないで──。


「──っ
伝えて、どうなるんですか?!同性からの愛を、彼女はどう受けとると?!
失いたくないんです──!!」


気が付いたら瑠衣さんにしがみついて、子供みたいに泣いていた。


……最近、泣いてばかりだな。



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