私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
────翌日
「ちぃちゃん」
「へへっ 奈緒先輩!」
可愛らしく微笑むちぃちゃん。
つられて私も微笑み返す。
───今日もいつもと同じ。
いつも通りファンたちに囲まれ、いつも通り授業を受けた。
ただひとつ、静架と顔を合わせてないってこと以外は──。
「そう言えば、奈緒先輩と静架先輩って仲がいいんですね」
おもむろにちぃちゃんが切り出した。
静架───その名を聞いただけで落ち着かなくなる。
「あぁ……まぁ、同じ演劇部だしね。よく一緒に行動するけど」
努めて平静を保とうとしていた。
心なしか、ちぃちゃんまでも落ち着かないのは、気のせい?
「でも大変ですよね。お二人ともトップスターだからファンもたくさんいるし」
「うん、まぁもう慣れたけどね。───そうだ」
私はその奇妙な空気を取り繕うように、ポケットに手を伸ばした。