私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「──それじゃ、HRを終わります。起立、礼」
「ありがとうございました」
担任の一声で、かったるい1日も終わった。
私は小さく「お疲れ-」とだけ呟くと、再び机に突っ伏した。
「奈緒様、本日は演劇部に?」
お約束に、佐藤 綾音がやって来た。
部活か……面倒だな。
──最近の私は、以前より無気力になっている。
前から熱心に部活通いをするわけでは無かったけど、静架が大の部活狂いだったから、私の出席率は過去最高まで昇っていた。
でも───。
今は静架に会いたく無いんだ。
誰も、触れないでいてほしい。
「行かない。あなたたちも帰って良いよ」
机に頬をくっ付けたまま、手だけで取り巻きを追い払う。
眠く無いけど、することも無いし──…。
多分これで、1日の睡眠時間を使い切ってしまうだろう。