私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「ねぇ、静架──」
頬に触れた手は、静架の柔らかな髪を掬った。
絹糸のような黒髪は、さらさらと指の隙間から落ちていく。
「あなたが………、好き」
そっと、唇を静架の頬に落とした。
(───っ!!)
我に返ってハッとする。
私、今、何を──?!
一瞬で顔が真紅に染まった。
どうしたの、私、
い──今、告白、キス
私は───……
ガタンッ
勢い良く椅子から飛び上がった。
その衝撃で熟睡していた静架が「ん……」と目を擦った。
(──いけない…!!)
私は静架を放置したまま、教室を飛び出した。
静架……何も聞いてないよね?
私の気持ちに、気付いて無いよね?
そればかりが、気になった。