私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
───放課後。
結局体育の授業に遅れてしまった私は、反省文五枚を課題として出された。
美優ちゃんや他のクラスメイトの子も、みんなクラブ活動などに行ってしまって、教室には私1人。
がらんと空いた教室は、どこか別の空間のようだった。
「はあぁ~っ」
ちょっと休憩して伸びをする。
遅刻しただけで反省文五枚とは、ちょっと厳しすぎると思う。
まぁその厳しさが、厳格な親から人気がある理由なんだろうけれど。
私は高等部から白女に入学した。
初等部から高等部まで、ほぼエスカレーター式に進学できる白女では、外部生は珍しい。
私の両親は初等部から私を入れたかったみたいだけど、莫大な入学金が掛かるため断念。
だって私のうちは、何の変哲もない普通の家庭だもの。
それに正直、こんな変わった学校には、通いたくなかった。
今までの公立学校とは違って、私には敷居が高すぎる。
それがクラスメイトと一定の距離を保つ理由なんだけど。