私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「違う!静架、私はあなたのことが───」
気がついた時には、私の腕は既に彼女のそれを絡め取っていて。
力任せに静架を引き寄せ、感情のまま、唇を押し付けた。
──驚きに目を見開く、静架の唇に。
「───放してっ!!」
バシッと乱暴に払われた私の体は力無くダラリと離れた。
自分が何をしでかしたのか──瞳だけ大きく開いたまま、私は呆然と突っ立っていた。
このまま、思いの丈をぶつければ良かったのに─。
臆病な私は、ただ時が過ぎるのを待っていた。
すべてがスローモーションに過ぎた。
「───っ」
やがて、沈黙に耐えきれなかったのか、静架は走り去っていった。
気の利いたことなど、一つも言えないままに。
私、何をしてるんだろう?
既に何度目かの後悔。
そのまま、瑠衣さんが迎えに来てくれるまで、その場で俯いていた。