私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
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「お疲れ様-!!」

「はい、お疲れ-!!」



みんなで乾杯し、今日の成功を祝う。




私もこの時ばかりは心から笑みを溢した。



演劇祭は、鳴り止まぬ拍手と共に、幕を閉じた。




今私たち演劇部が居るのは控え室。


みんな差し入れのケーキやジュース、お菓子に手を伸ばしながら、好き好きに談笑している。




一人を除いては。





静架───。






静架はやっぱり、静架だった。



どんな状況にあろうとも、女優である誇りを捨てはしない。



私は堪らず何度か役を捨ててしまいそうになったけれど、彼女は最後まで、ラディールに恋するエリザベスそのままだった。






スポットライトを全身に浴び、愛しい彼からの囁きに聞き惚れる、彼女。





私はただ美しい──それだけ思った。




そしてもう、後戻りなど──あの楽しかった日には戻れないということを、痛感した。




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