私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
エリカについて語るのは、今でも少し…勇気がいる。
でも、彼女は私の一番大切な人であることには間違いない。
「薔薇園、壊すの?」
「え?」
彼女に会うのはこれで初めてだというのに、エリカは「はじめまして」とも「ごきげんよう」とも言わず、こう言った。
「だから、薔薇園、壊すの?」
いやいや貴女誰ですか、って突っ込みたいのは山々だったけど、彼女は真剣にその答えを待っていたようだから、こう言った。
「どうして?」
「あなた、生徒会の人でしょう?薔薇園を取り壊すっていう噂を聞いたの」
「えぇ…確かに。必要性が無いから、って。まだ審議中だけどね」
それが何か?
って、目線だけで訴えた。