私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
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「…これにて、第125回 卒業証書授与式を、閉会いたします──…」




静まりかえる講堂。



神聖で厳かな空気だけが、私たち──旅立つ者たちを、見送っている。



悲壮的なピアノの音色に合わせ、拍手と涙に包まれる。



一歩、一歩、踏みしめる。



ふと、私の目の前を亜麻色の巻き毛がかすめた──ような気がした。



『瑠衣。』



彼女の、か細いのに凛とした声で名前を呼ばれるのが、好きだった。



(エリカ…)




一緒に、卒業したかったよ。



私の前を、振り向いては微笑みかけて、歩いて欲しかった。






天井に、別れの曲がこだまする。






エリカ、私たち、あの時出会ってなかったら、どうなっていたんだろう。




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