私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「…という訳なんですよ」
「ふ~ん。
でもおかしいなぁ。そのエリカちゃんて子、同じクラスなのに気が付かなかったの?」
「!!──そう言えば…」
双葉先輩に言われて初めて気が付いた。
あの時は興奮してて考えもしなかったけど、同じクラスだったなんて、入学して半年以上経つのに今日初めて知った。
「まさか同じクラスだったなんて……」
今更だけど、びっくり。
探しても探しても、名前すら浮かばなかった彼女が、何故。
早乙女エリカ。
本当に一体、何者なんだろう…?
「更に謎が深まったわね」
「紗椰子先輩」
「それに薔薇園だって、実体掴めてないしなぁ…」
「…すいません…」
遠回しに捜査を続けろと言う紗椰子先輩。
はぁ、面倒だなぁ…。
「でも名前分かってるなら、生徒名簿で調べはつくじゃない」
いつから居たのか、万里先輩が手元の資料を見ながら呟いた。