私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
生徒名簿…そうか、その手があったか。
「でも個人情報なんて、勝手に調べても良いんでしょうか」
聞き込みならまだしも、かなりプライベートな情報を見ちゃう訳だし。
しかし双葉先輩は、私の不安を糸も簡単に否定してくれた。
「そんなの、生徒会長の権限でどうにでもしてあげるよ。──えぇと、名簿ってどこだっけ?」
とか言っておもむろに資料を漁り出す双葉先輩。
あの、それって職権濫用っていうんじゃ──とは、この際言わないでおこう。
「えっと…早乙女 エリカ…。──あった!!」
しばらく名簿漁りをしていたら、やっと目当ての人物を発見。
「なぁに、これ。ほぼ白紙じゃない!!」
後ろからひょっこり顔を出した紗椰子先輩が言った。
早乙女 エリカ
16歳。
当学園高等部一年所属。
幼等部から当学園生徒。
兄弟姉妹なし。
白百合女学園学園長 早乙女 瑶子(ようこ) の孫。
「「「これだ---!!」」」
紗椰子先輩、双葉先輩、私の三人は一斉に叫んだ。