私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
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「……みんな、三年間、お疲れさま。初等部からいる子からしたら、青春の殆んどをこの学園で過ごしてたわけだけど──」



いつの間にかHRには見慣れたクラスメイトたちの姿があり、皆が皆、目を泣き腫らして担任の話を聞いていた。


多分このクラスで涙の"な"の字も出ていないのは、私だけだろう。


先生の言う通り、多感な時期をこの学園のみんなと乗り越えてきたんだから、何だか申し訳ない気分になる。


この学園を去ることに、何の未練も無い訳じゃない。

…でも、これは終わりではなく、始まりだから。











しんみりとした空気の中、担任の話が終わって最後のHRは終了した。


これからまた全校生徒で寮の大食堂に集まり、会食が始まる。


私はさわさわざわめく教室を後にして、静かにあの場所へと向かった。




私とエリカが、再びめぐり逢った、あの場所へ。




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