私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



「──よし、そろそろ始めようか」


双葉先輩がぱん と手をならし、私たちは椅子に座る。


質素な生徒会室を彩るのは、手作りの花や紙のわっか。

小さい頃やったパーティーみたいで、懐かしい。



「それじゃ、みんなグラスは持った?」

紗椰子先輩がわくわくしながら言う。

自然と皆の顔が笑顔になった。



「……せ-のっ」

「メリー・クリスマス!!」


かんぱ-い!
と少女たちの楽しそうな声が響いた。



2学期最後の日。

1日早いけど、生徒会のみんなで集まってささやかなクリスマスパーティーをしているのだ。



「このケーキ美味しい!万里が作ったの?」

「あぁ…はい。調理室をお借りして」

「このクッキーもいけるよ」

「あ、それは私が作りました」


わいわい。

外の吹雪なんて忘れて、私たちは帰省までの数時間、クリスマスパーティーを楽しんだ。



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