私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



ちなみに他の3年生方は一学期から受験勉強を始めていらっしゃる───双葉先輩や紗椰子先輩が余裕なのは二人のとも優秀だから。



「そうか、引退かぁ…。まだ引き継ぎしてなかったよね」


紗椰子先輩が思い出したように呟く。


「引き継ぎって言っても、会長は万里、副会長は瑠衣で決まりだけどね」

「えっ…私が、副会長なんですか?」

「当たり前じゃない、二人しか居ないんだから」





紗椰子先輩が呆れながら言った、その時だった。





──コンコン



生徒会室のドアを叩く、小さな音。



(こんな時間に誰だろう?生徒は皆帰省しているはずだけど……)


いかぶかしく思いながらドアを開ける。



「──茉莉衣……」


扉の外、冷たい廊下に立ち尽くして居たのは妹だった。


「茉莉衣、どうしてここに──」

「あら~茉莉衣ちゃんじゃない!!せっかくだから何か食べていきなよ」



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