私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
私は……やっぱり昨日のことが気になって、再び、あの薔薇園へ向かっていた。
奈緒様は昨日、『いつでもおいで。』と言ってくれたけど。
(やっぱり社交辞令だったのかなぁ~)
それでもやっぱり足を止めることは出来ない。
図々しいと、一笑されるかもしれないけど…
遠くから見るだけなら、許されるよね……?
昨日迷った方では無く、帰りに教えてもらった入り口から薔薇園へ。
薔薇の垣根からそっと中を覗く。
(いた……)
昨日と変わらずその姿は、薔薇の中で光っていた。
───とくん
何故か、とても、切なくなる──。
カサッ
「あっ………」
やば、バレちゃったかも?!
「……誰?」
よく響き渡る凛とした声が、あたりを揺らす。
私は観念して進み出た。
恥ずかしくて顔が真っ赤だと思う。