私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
私が眉間に皺を寄せて追及しようした手前、紗椰子先輩が強引に茉莉衣を連れ込もうとする。
「あっ あの 私は姉に話があるだけで、すぐ帰りますので…」
「え- そうなの?残念…」
「─すいません、先輩。ちょっと席を外します」
唇を尖らせる紗椰子先輩をあやして、私は茉莉衣と一緒に廊下に出た。
「何でまだ校舎にいるの。帰ったんじゃなかったの?」
ついつい厳しい口調で責めてしまう。
外は大雪だ。
体の弱い茉莉衣にとっては、一番悪い状況。
「お姉ちゃん、やっぱり帰らないの…?」
躊躇いがちに茉莉衣が言う。
私は一瞬カッときた。
今さら何を言ってるの?
私があんな家に帰るわけ無いじゃない…!