私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「何度も言ったはずだよ。私は帰省はしない。中等部に上がってから、私は一度だって帰ったことは無いでしょ」
「でも……お父さんは珍しくお正月には居るって言うし……」
「……無理。それに向こうだって、私たちが居ない方が清々するんじゃない」
嫌悪で顔を染めて吐き捨てた。
「でも……」
「もういいから。話は終わり。──早く帰った方が良い、雪が酷いから…」
それでも食い付く茉莉衣を一蹴して帰らせる。
茉莉衣はまだ何か言いたげだったけれど、私は無視して見送った。
「あ、終わった。可愛い妹から、一体何の話だったのよ~」
生徒会室に戻るなり、予想通り紗椰子先輩が食い付いてきた。
「いや、別に…。ただ、一緒に帰らないかって言われただけで」
曖昧に返事をする。
この手の話題は極力避けてきた。
家庭がごちゃごちゃしてるなんて知られたくないし。