私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「あぁ そう言えば瑠衣って毎回帰省しないよね。何で?」
双葉先輩が痛いところを突く。
「それはですね…。何と言うか……」
「あっ 分かった!もしかして家庭内がドロドロしてて帰りたくないとか!?」
…さすがは紗椰子先輩。
趣味・妄想なだけあって、そういうことは直ぐにピンときちゃうんだから。
「いやあの……。私の家は……──」
「先輩方、そろそろお開きにしません?雪もだいぶ積もってきましたし」
カチャカチャと、万里先輩がティーカップを片付けながら切り出した。
先輩たちもそうね、なんて窓の外を見ながら支度を始めた。
──助かった…。
万里先輩のナイスフォローで、何とか話さずに済んだ。
「…それじゃ、私たちはそろそろ帰るわね」
暖かそうなコートで身を包んだ先輩方を、玄関までお見送り。
特に3年生はこれでお別れだから、尚更名残惜しい。