私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
(どうして……っ?!)
そう思うが早いが、私は冷たい廊下を蹴り、彼女の元へ駆けていた。
どうして学校を休んでいたの?
なんで今校舎にいるの?
あなたは一体…何者なの?
次から次へと聞きたいことが頭の中を駆け巡る。
「ねぇ……っ」
やっとのことで彼女に追い付いた。
ゆっくりした動作で早乙女エリカは振り向く。
「…何かご用?」
私なんか興奮でビックリしているのに、彼女は終業式が終わった後の校舎に何故私がいるのか、なんて一つも気にして無いように平然としていた。
そんな様子にちょっとばかりむすっ としつつ、私は続ける。
「何で…あなた、こんな所に居るの…」
「……。今は誰も居ないから大丈夫かな、って」
「は…?」
また宇宙語だ。
全く意図が読めない。
「どういう意味?」
「人が沢山いるところは、駄目なの。埃が沢山舞っているから…」