私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



埃が駄目……?

それって──


「あなたもしかして…肺が悪いの?」

「………」


思い当たるふしがあったから聞いてみた。

沈黙しているところを見ると、図星らしい。


(病気だって知られたく無いんだ…)

なかなか可愛らしいとこもあるじゃない。



「私の妹もね、喘息を患ってるんだ。だから埃っぽい場所は居ない方がいいんだけどね、そのくせ学校一部員の多い演劇部なんかに入っちゃってて」

半ばエリカをフォローするように言った。

病気であることが彼女のネックなら、触れてあげないでおこう。











「……それで、何でこんな所に居るわけ?」


大分調子を取り戻した私はエリカに詰め寄った。


生徒会のメンバーとして、見過ごせる話ではない──と言うのは建前で、本心は単純な好奇心からだった。


「家には帰らないの?あなたは──」

「私、此処が家だから…」

「へ?」



< 176 / 238 >

この作品をシェア

pagetop