私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
埃が駄目……?
それって──
「あなたもしかして…肺が悪いの?」
「………」
思い当たるふしがあったから聞いてみた。
沈黙しているところを見ると、図星らしい。
(病気だって知られたく無いんだ…)
なかなか可愛らしいとこもあるじゃない。
「私の妹もね、喘息を患ってるんだ。だから埃っぽい場所は居ない方がいいんだけどね、そのくせ学校一部員の多い演劇部なんかに入っちゃってて」
半ばエリカをフォローするように言った。
病気であることが彼女のネックなら、触れてあげないでおこう。
「……それで、何でこんな所に居るわけ?」
大分調子を取り戻した私はエリカに詰め寄った。
生徒会のメンバーとして、見過ごせる話ではない──と言うのは建前で、本心は単純な好奇心からだった。
「家には帰らないの?あなたは──」
「私、此処が家だから…」
「へ?」