私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
それから私たちは、色んな話をした。
好きな食べ物、趣味、学校のこと…。
最初はあんなに敬遠してたのに、まるで親友みたいに飽きることなく語り続けた。
爆笑があるわけでも、深く感じ入る話題があるわけでも無かったけれど、二人の間に流れる空気は、とても私を落ち着かせる。
外の様子なんて、すっかり忘れていた。
「…あ、もうこんな時間」
気が付けば時計の針は6時半を指していた。
「話に夢中になってて気が付かなかった…私、もう帰るね」
エリカに借りたコートを羽織りながら窓の外を眺めた。
うわ…吹雪は止むどころかますます酷くなってる。
「大丈夫?気をつけてね」
エリカがふわふわした手袋を手渡し、玄関まで見送ってくれた。
全くもう…最悪な天気だ。
「──お嬢様方」
その時、背後から雪村とかいうおじいさんが私たちに声を掛けた。