私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「今まで無いほどの吹雪です…瑠衣様、今日はこちらに泊まっていかれては?」
「え?でも…」
正直、この提案は有り難かった。
この寒い中寮まで歩いて、冷たい部屋で凍えなくちゃいけないなんて。
「そうね…瑠衣さん、今日はうちに泊まったらどうかしら」
エリカが側に来て、玄関のドアを閉めた。
「もし吹雪で凍え死んだりしたらいけないし」
「良いの?」
「もちろんよ」
エリカが笑顔で私の腕を取った。
「そうと決まったら今日は夜なべしてお話ね!修学旅行みたいだわ」
「修学旅行って大袈裟…」
「良いじゃない!──雪村、食事の準備よろしくね」
エリカったら、本当に嬉しそう。
何だか私まで楽しくなって、一緒になって駆け出した。
──この夜は運命だった。
そう思えずにはいられない。