私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



「…何か見える?」

「ううん、真っ白。でも凄く綺麗…」


私は毛布にくるまって、窓際のソファに腰掛けていた。


時刻は朝6時。
平日だってこんなに早起きはしない。


ただ慣れない寝床の違和感に目を覚まし、ぼんやりと外を眺めていた。



「昨日の吹雪が嘘みたい。一面が輝いてる」



外の景色──と言っても雪に埋もれて景色も何も無いけど──は、まさに壮観だった。


昇り始めた朝日が静かに雪面を照らし、小さな輝きとなって瞬いている。


天国はこんな感じだろうか……私は冷たい手を握り締めた。




「雪が降るといつもこうよ。溶けるともっとすごいの」

「溶けると?べちゃくちゃになっちゃうのに」

「いいえ、もっと綺麗なの。──そうね、午後を楽しみにしてて」


ふふっ といたずらっぽく笑ってエリカがベッドから下りた。




──コンコン



タイミング良く扉をノックする音がする。



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