私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



私は朝食をいただいた後もまだ早乙女家にいた。



否、いなければならなかったのだ。




「凄い…こんなの初めて見た…」

「私も…」



さてそろそろおいとましましょうか、という時分。

玄関扉を開けた私とエリカを待ち受けたのは、一面の雪の壁。


屋根があるため辛うじて玄関先の侵雪は防げたものの、大人の背丈ほどもあるそれは、か弱い女子高生の私たちが敵う相手ではなかった。


「……通れるようになるまで、中に居ましょうか」

「そうね…ありがとう」




という訳で、今私とエリカは暖炉のきいた暖かい部屋でまったりしていた。




だけど、何かすることがあるという訳でも無いので、手持ちぶさたな私は長椅子に横になってぼーっとしていた。


エリカは何やら難しそうな英書を読んでいるし。


暇だなぁ…宿題でも持って来ておくんだった。



上体を起こして何となく窓の外を見やる。



「……エリカ」


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