私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「な 奈緒先輩は、いつも此処に?」
「うん、大抵はね。
此処は誰も来ないから…」
確か、昨日もそんなことを言っていたな。
いつでも輝いていそうな奈緒先輩でも、1人になりたいときがあるのだろうか。
「あの…それじゃ私、邪魔…ですかね?」
控え目に訊ねる。
1人が好きなら、邪魔はしたくない…。
「ううん、気にしないで」
奈緒先輩は私を見つめた。心無しか鼓動が速くなるのは、気のせいでは無いと思う。
「多分ね、居てほしいんだ。…私とちぃちゃん、似てる気がする」
奈緒先輩は続けた。
「初めて見た時から、そんな感じがしたの。上手く言えないけど、直感的な何か」
「似てる…?私と奈緒先輩が…?」
それは紙に染み込んでいく水のように、すぅっと私の心に響いた。
似てる…
確かに、私たちが抱えているものは、似ているのかもしれない。
多分、もっと潜在的な意識レベルで。