私立白百合女学園～少女たちの秘密の園～

エリカは何も言わず、ただそっと抱き締めてくれた。


私の思いを汲み取るように、ゆっくりゆっくり、背中をさする。

その手のひらの温もりが優しすぎて、私は泣きそうになった。



｢瑠依……我慢しないで。
どんな涙だって美しいものなのよ、泣いたって誰も気にしないわ｣


慈しみに満ちた声音でそう囁かれた瞬間、私は堰を切ったように泣き始めた。


今更親の愛を求めて泣いている訳じゃない。

振り返って欲しくて、悲しんでいる訳じゃない。


ただ…涙が止まらないのは、私の理解者がすぐそばに居て、私を救おうとしていることが嬉しいから。


誰にも言うはずなかった私の胸のわだかまりを、エリカはそっと掬い上げてくれた。

そして私は…その気持ちに甘えている。


なんて心地が良いんだろう。





私はずっと、そうしてエリカな寄り添っていた。