私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
そうなのか…。
私はふっと息をついた。
だから、初対面でも心を許せて、側に居たいと思えたのか。
それは……とても、心地良い関係。
胸がぽっと暖かくなるような気がした。
「奈緒先輩は、どうして演劇部に?」
なんだか嬉しくなって、調子に乗って聞いてしまった。
奈緒先輩は嫌な顔一つせず答えてくれる。
「成り行きかな…。初等部の時から演劇はしてたから」
「あ 初等部から白女なんですね」
「うん。親がどうしても行かせたかったらしくて。さすがに10年以上通ってると退屈だけど」
それからずっと、私たちは他愛のない話を飽きることなくしていた。
奈緒先輩の呼吸と、私の呼吸が上手い具合に相まっている。
その日から、私はこの薔薇園で奈緒先輩と逢うことが日課になった。