私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
けれど、幸せなんか簡単に壊れてしまうものなのだ。
思えば、このころから歯車はズレ始めていたのかもしれない──。
───春休みも終わりに近づいたある日。
その日の夕方、エリカは学園長…エリカのおばあ様から呼び出しがあって、私は一人で夕食を取っていた。
「……あ、エリカ、今帰ったの?夕食、食べる?」
「うん…ありがと…」
何となく、エリカは元気がなかった。
「…?どうした、体調でも悪い?」
「うぅん、平気……。」
「平気そうじゃないよ。早くベッドに行った方が良い」
エリカのおでこに触れる。
少し、熱があるみたい……。
けれどエリカは首を横に振り、弱々しく私の腕を掴んだ。
「大丈夫。あのね、瑠依、落ち着いて聞いて欲しいの…。
私ね、二年生になってからのことでおばあ様と話があったんだけどね、その時…聞いちゃったの」
「何を…?」
「生徒会に、赤島 万里さんっているでしょう…?その人が、春から退学になるって………」