私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
赤島 万里。
私の大好きな先輩の名前だ…。
「…どうして!?万里先輩は次期生徒会長なんだよ?」
どういうこと?
疑問ばかりが頭の中を過ぎた。
「あまり詳しくは聞こえなかったんだけど………何か『禁忌』を犯したらしくて……その……」
「万里先輩は違犯なんか起こす人じゃないよっ……何があったの?」
「……クラスメイトの子と、その……キス、してたらしいの…」
「───え…?」
万里先輩が…?
「なにそれ、何かの間違いじゃないの…」
「うぅん、丁度それを先生に見つかったらしくて……。まだ確定しては無いけど、ほぼ退学決定だって…」
「………。」
頭の中を凄まじい勢いで情報が流れた。
私はとにかく混乱していて、でもその時一番に考えたのは──万里先輩には悪いけど──私たち二人のことだった。
愛しいと思う人に、気持ちを伝えただけで──キスしただけで、退学にまでなるのだろうか…。
そしてそれは、それほど禁じられたことなのだろうか…?