私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~



「……え………」

「もう聞いてると思うけど、私は退学になるの。だから生徒会は貴女が仕切ることになるけど…ごめんなさいね」

私は目を見張って万里先輩を見、万里先輩はしっかりと私の瞳を捉えた。

その表情からは何も分からない。

後悔も、悲しみも、狼狽も。



「あ…なん、で……」


やっとのことで切り出したが、万里先輩は沈黙を守っていた。


(本当に、万里先輩が……?)


疑惑は色濃く胸に広がる。




「──瑠依、貴女だから話すわ。これは私の話だけど、貴女たちにも当てはまると思う」


『貴女たち』


それが私とエリカのことを指していると思ったのはほぼ確信に近い直感だった。





「私、ずっと好きな人がいるの。誰よりも大事な、愛しい人…」


そう語る万里先輩の顔はこの上なく幸せそうで、だから、彼女はこの恋の為なら命を捨てることだって厭わないだろう…と漠然と思った。



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