私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
「あら、こっちに来たの……瑠依?」
私はエリカの部屋に駆け込むなり彼女に抱きついた。
勢いに任せて突進した私を拒むわけでもなく、エリカはそっと私の背中に手を添える。
「どうしたの?先輩は……」
「──万里先輩は、私たちと同じなんだよ。だから退学になるの。……でも私たちはならない」
脈絡のない言葉を紡ぐ私にエリカはいかぶかし気な目線を向けた。
「私たちは、引き裂かれたりしない。離れ離れになんかならない。絶対に」
「──…」
まっすぐ、エリカの瞳を射抜いた。
エリカだって、そう信じているでしょう?
「……そうね。私たちは誰よりも固い絆で結ばれているもの」
エリカは微笑を浮かべた。
その言葉を聞いて、心の奥で安堵した。
なんだか泣きたくなるほど嬉しくなって、私はその日エリカの部屋に泊まった。