私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
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新学期が始まり、私は二年生になった。


そして、万里先輩も学園を去っていった。

結局あの日以来万里先輩には会えず、見送りにさえ行くことが出来なかった。


…万里先輩の恋人は今、どんな思いでいるのだろう。

万里先輩の居ない学校で、そればかりが気になった。








「お姉ちゃん」

「どうしたの、茉莉依?」


夕方の寮。
私は放課後エリカと別れ、珍しく自分の部屋に直行していた。

茉莉依は舞台の台本を握り締めて私を見ている。


「…お姉ちゃん、もうあんまりエリカさんの所に行かない方が良いよ」

刹那、固まった。

エリカと茉莉依は面識があるから良いとして、どうして茉莉依がそんなことを言うのだろう…?


「……先生たちが、警戒してるの。その…お姉ちゃんたちのこと」

「………中等部の先生が?」

「私はお姉ちゃんと同室だから、何かおかしいとこは無いかって聞かれた」

「………」



──万里先輩の言っていた通りだ。



…私とエリカの関係は、なんとなく雰囲気から漏れている。



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