私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~
───結局。
そのあともエリカは一歩も譲らず、「学校には行く」の一点張り。
エリカにはどうしようもなく甘い私は、校内では話しかけないことを条件に解決させた。
これでなんとか小うるさい教師や生徒たちの目を眩ませられる…。
そんな風に安堵していたものだけれど。
それは実際、かなり過酷なことだった。
エリカと離れ、一人ぼっちでいることが多くなった私は、以前より一層クラスメイトたちの注目を浴びるようになっていた。
どこからか、秘密にされていた万里先輩の退学理由が漏れたらしく、私が関係しているのではと噂になっているらしい…。
どこに行ってもヒソヒソ囁かれて、不快なことこの上ない!
中には勘違いしたお節介な生徒たちが、「応援してます」だなんてあからさまに言うものだから、なんかもう学校にも行きたくなくなってくる…。
こういう時、いつも真っ先に思い浮かばれるのはエリカの顔だった。
エリカに会いたい。
会って、触れたい。
抱き締めたい。
心は通じていると信じていても、離れ離れの現状は愛しい気持ちを加速させた。